皆さんは2000年に発売されたテイルズオブファンタジア なりきりダンジョン(以下:なりダン)というGBCのソフトを知っているでしょうか?
SFC、PSのRPG『テイルズオブファンタジア』の続編(外伝)的な作品で、テイルズシリーズでは初の携帯ゲームとして発売された名作です。
戦闘は殆ど普通のターン制RPGに近いゲームではありましたが、容量の制約がある中でストーリーをきちんと描き、『テイルズオブファンタジア』の魅力を更に引き出せた素晴らしい作品でした。
現在もVCなどで配信されていないので、なかなか遊ぶ機会がないのが寂しいところです。
ちなみにPSPにて『テイルズオブファンタジア なりきりダンジョンX』というクソリメイクが発売されましたが、あんなダメなゲームとは全く中身が違います。
この記事では主にGBCのオリジナル版の思い出について語ろうと思います。
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TOPなりきりダンジョンの魅力
ファンタジアの続編として
私が小学生のときにメチャクチャハマったRPGであるPS版『テイルズオブファンタジア』。
今でこそテイルズシリーズは「はいはいテイルズテイルズ」って感じになってますけど、PS第1作目のデスティニー、リメイク版ファンタジア、エターニアが発売された頃は、文句なしに名作シリーズという立ち位置でしたね。
特に私はテイルズオブファンタジアが大好きで、ファミ通などを読んで『なりきりダンジョン』という正当な続編が出ると知ったときは、かなりテンションが上がりました。
ファンタジアでの戦いの後、クレスやチェスターやミント、アーチェなどのその後を見れると思うとワクワクしていたのでした。
なりダンのストーリー
おはなし
ある日、静かな夜空から美しい流れ星が降り立ちました。
あなたが星の光の中に見つけたのは、双子の赤ちゃん。
元気な泣き声を上げる男の子と、すやすや眠っている女の子。
それから13年経った、アセリア歴4408年。
争いもない平和なこの世界で、ちょっとした冒険が始まるのでした…。
プレイヤーが操作するのはディオとメルという双子の子供です。
双子の赤ちゃんを拾ったあなた(プレイヤー)は13歳まで子どもたちを育て、ある日を堺にこの子達が産まれた理由と運命に巻き込まれることになります。
ダンジョンを攻略するたびにディオとメルから様々な質問をされ、回答結果がそれぞれの性格に影響します。
ゲームに登場こそしませんが、プレイヤーも子供たちの親として存在しており、ある意味プレイヤーが主人公であるような作りになっています。
冒険を進めるごとにディオとメルが背負っている「前世の罪」が明らかになっていき、ラストで彼らの業に打ち勝つのですが、試練を終えたことでディオとメルは転生することになり、親であるプレイヤーに別れを告げます。
13歳の少年少女のあまりに辛い宿命を親目線で見守れるのが、このゲームの最大の魅力です。
ダオスの設定の掘り下げ
今作では前作でダオスが語った「母なる星デリスカーラーン」についてのストーリーが少しだけ描かれます。
なぜダオスの祖国からマナが枯渇してしまったのか。
前作では触れられなかった部分が『なりきりダンジョン』によって補完されるため、テイルズオブファンタジアのストーリーは本作をもって完全なものになります。
もちろん後付けではあるんでしょうけど、名作である本編の雰囲気を壊さずに足し算ができているのでファンは必見です。
今ならプレイ動画で見るのが手っ取り早いでしょうね。
難易度の高い戦闘
テイルズシリーズは案外シビアな難しさであることが多いですが、なりダンは特に難しいRPGになっています。
初見でボスを突破できることはほぼありませんし、91もある職業(なりきりコスチューム)を人生経験として積ませなければならないため、何度もダンジョンに潜ってレベル上げをしなければなりません。
また、素早さと回復役が大事でシビアなゲームバランスであるので、ボス戦で着られるコスチュームはかなり限られていました。
敵が強いのでレベル上げも大変な部類ではありましたけど、今行ける一番敵が強いダンジョンよりも2ランクほど弱いところでレベル上げすることで、結構サクサクコスチュームの人生経験を積めていましたね。
当時はネットもなかったので手探りで色んなコスチュームを試すのも楽しかったなぁ。
最終的にはディオには素早さが高い「にんじゃがしら」、メルには「ミント」の服一択になりますが、私はディオに「クレス」の服を着せて攻略できないかと余計な苦労をしていた記憶があります。
ラスボス戦は2連戦な上に特殊な状態で戦うことになるので、ギリッギリクリアできたのが懐かしいです。
また、クリアまで苦労をする分、クライマックスでの感動はひとしおです。
プレイした当時は私はディオとメルより子供でしたが、大人になってからプレイすれば更に感動できるゲームかもしれません。
オマケ:リメイク版との比較
本作の発売から10年後にPSPにて『テイルズオブファンタジア なりきりダンジョンⅩ』というリメイク作品が発売されました。
…が、こちらは設定だけを少しかじっただけの劣化ゲームとなっています。
評価点はグラフィックが良くなった程度でした。(当たり前の事ですが)
不満点としては、
・親としてのプレイヤーが登場しない
・追加キャラのタンスが下品でとにかく不快
・本編とオリジナル版の設定を一部改変
・考えさせられるストーリーを改変
・やたらめったら明るい雰囲気
要は『なりきりダンジョン』のガワを被った別の何かということです。
私はなりダンが大好きなゲームだったので、当時は(騙される覚悟で)発売日と同時に購入しましたけど、やはりガッカリ劣化リメイクでしたね。
しかし知名度はこちらの方が上になってしまっているのが悲しい。
検索してもPSPのリメイク版が先に出てきてしまいますし、VCで配信されないのも「リメイクしたんだし…」みたいな考えがありそうなのも残念です。
最近のゲームはつまらん!(怒)
と怒ってしまうのも、このあたりのゲームが原因なんだと思います。
追加キャラのロンドリーネ(アネゴ肌で露出の多いお姉さん)やアルベルト(下品なタンス)を出して設定を崩壊させているあたり、製作陣には『テイルズオブファンタジア』の思い入れはほとんどなかったのが伺えます。
プロデューサーの攻略本インタビューでも筋の通ってない言い訳が多かったですし。
さしずめ、「よし!俺がプロデューサーになったんだし、名作に俺の性癖ぶっぱなキャラをブチ込んでやるぜ!」という意図があったように思います。
やっぱり製作者の愛情を感じないゲームというのは、遊んでいても楽しくないもんですね。
余談
GBC版のなりダンが欲しかった当時の私は11才くらいの多感な時期であったので、母親と一緒にゲームを買いに行って、
「な、なりきりダンジョンってゲームが欲しいんだ…。」
と言い出すのがかなり恥ずかしかったです。
母親も『お人形の着せ替えゲーム』的なのをイメージしたらしくて、ゲームコーナーに着くまでずっと不審な顔をしていたのを覚えています。
パッケージが萌え萌えしてたり、露出が多いキャラが付いてたら絶対に買ってくれなかったでしょうね。
GBC版はロンドリーネがいなくてよかったなぁ。
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