彼岸から見た景色

思ったことを適当に描いてみるエッセイ

銀河鉄道の駅舎にて

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戦争か何かで、友人も家族も自分もみんな死んだ夢を見た。

 

気付くと、人(死者の霊?)がごったがえす、電球色に照らされるモダンな駅舎のエントランスような場所に立っていた。辺りを見回すと数メートル先に大きく手を振る父親と母親の姿を見つけた。

自分の隣には赤ちゃんを抱く妻と、妻の手を引かれる息子もいた。手を引きながら人ごみをかき分け、両親と合流できた。

どうやらみんなほぼ同時に死んでしまったようだが、父は自身の役目を終えたような晴れやかな顔をしていた。

自分もどこか安心した気持ちになったように思う。

 

母に尋ねると、東京で仕事をしている妹は、自分たちより1週間くらい前に死んでしまっていたようだった。

普通であればすぐに転生するためあの世で再開はできないのだけど、あまりにも死人が多く混雑しているため妹は駅舎にとどまっていたようだ。

何を話したか一言二言交わした後に別れることになった。妹は少し寂しそうな顔で「またね。」と言った。

 

その後、少し経ってから優しい顔をした駅員のような人に案内され、自分たち家族は大きな金色の扉の方へと向かった。

皆で手をつなぎながら扉の前に立ったとき、ふと隣を見やると息子が寂しそうな顔をしていた。

ハッとなって私は目を覚ました。